インド洋にうかぶアンダマン諸島は昔から知られた“未開の秘境”で、私も学生時代に興味をもったことがある。 なかでも北センチネル島という小島は地理的・政治的条件がかさなり島民はいまだに文明と接触したことが タフで図太くて楽天的。 生き抜くために重要なこの3つを主人公の元ホステス・菖蒲(あやめ)はすべて持っている。 北京に3年以上単身赴任している夫から、中国に馴染めない、こっちに来て欲しいと頼まれた菖 猫を何よりも優先する恋人、部屋に現れる幽霊、突然のプロポーズに戸惑う48歳の女性、指笛でしか話さない元文化人類学者の大叔母――。 一穂ミチさんの短編集『たぶん、恋しい』(新潮社)には、理解されに