まるで美術館にいるようじゃないか。 一色さゆり『モナリザの裏側』という、技巧を凝らした短篇集に対して月並みな感想で申し訳ない。 しかし美術館のようである。 それも特別展ではなくて常設展、歴史を超えて 日本初のろう理容師だった祖父をモデルにした小説『音のない理髪店』で注目を集めた作家・一色さゆりさん。 実話をもとに描かれた同作は多くの読者の共感を呼び、2025年本屋大賞で11位に選ばれるなど高い評価 読んだ本がすぐ役立つなんて、学生時代の参考書以来の経験だった。 同じ意味の言葉を繰り返してしまう「重言」についての一文を読んでいたら「排気ガス」はアウトだという(正しくは排出ガスか排ガス)。 冷や汗がじ